6-4.特定化学物質障害予防規則

概要:特定化学物質障害予防規則は、労働者の化学物質を製造・貯蔵または取扱いを行なう上で、がん、皮膚炎、神経障害などの健康障害を予防するための規則です。

その取扱い作業において微量の化学物質を使用する研究・実験作業は想定されていないが、少量または短時間の暴露でも、健康障害が発生する場合も少なくありません。

そのため、特定化学物質を使用する実験を行なう場合には少量でも届出を行なう必要性があります。

研究・実験作業でよく使用される特定化学物質はおもに第2類に分類されます。( 次頁の 2条 参照)

作業場の空中における濃度が常態として有害な程度になるおそれがないと労働基準監督署が認定した場合には適用が除外されます。 (第6条)

しかし定常的な作業が行なわれていない場合には、濃度が上がらないことを証明することが現実的には大変に困難です。

定義:労働者のがん、皮膚炎、神経障害、その他の健康障害を予防する為に第1類~第3類に定められた化学物質

■2条

第一類 物質

  • (1) ジクロルベンジジン及びその塩
  • (2) アルフア-ナフチルアミン及びその塩
  • (3) 塩素化ビフェニル(別名PCB)
  • (4) オルト-トリジン及びその塩
  • (5) ジアニシジン及びその塩
  • (6) ベリリウム及びその化合物
  • (7) ベンゾトリクロリド
  • (8) (1)から(6)までに掲げる物をその重量の1%を超えて含有し、又は(7)に掲げる物をその重量の0.5%を超えて含有する製剤その他の物

第二類 物質

(1) アクリルアミド   
(2) アクリロニトリル  
(3) アルキル水銀化合物
(4) 石綿  
(5) エチレンイミン/ エチレンオキシド   
(6) 塩化ビニル  
(7) 塩素
(8) オーラミン  
(9) オルト-フタロジニトリル  
(10) カドミウム及びその化合物
(11) クロム酸及びその塩  
(12) クロロメチルメチルエーテル   
(13) 五酸化バナジウム
(14) コールタール

(15) 三酸化砒(ひ)素

(16) シアン化カリウム
(17) シアン化水素
(18) シアン化ナトリウム

(19) 3・3′-ジクロロ-4・4′-ジアミノジフエニルメタン
(20) 臭化メチル
(21) 重クロム酸及びその塩

(22) 水銀及びその無機化合物(硫化水銀を除く)
(23) トリレンジイソシアネート

(23-2) ニッケル化合物

(24) ニツケルカルボニル
(25) ニトログリコール

(26) パラ-ジメチルアミノアゾベンゼン
(27) パラ-ニトロクロルベンゼン

(27-2) 砒素およびその化合物
(28) 弗化水素


(29) ベータ-プロピオラクトン


(30) ベンゼン

(31) ペンタクロルフエノール(別名PCP)及びそのナトリウム塩

(31-2) ホルムアルデヒド
(32) マゼンタ

(33) マンガン及びその化合物(塩基性酸化マンガンを除く)
(34) 沃(よう)化メチル


(35) 硫化水素


(36) 硫酸ジメチル

(37) (1)~(36)までに揚げる物を含有する製剤その他の物で、厚生労働省令で定めるもの

第三類 物質

(1) アンモニア
(2) 一酸化炭素
(3) 塩化水素  (4) 硝酸
(5) 二酸化硫黄
(6) フェノール
(7) ホスゲン  (8) 硫酸
(9)  (1)から(9)までに掲げる物を含有する製剤その他の物で、厚生労働省令で定めるもの

青字は特定第2類物質
黒字は管理第2類物質(オーラミン除く)
赤字は実験室でよく使われるもの

局所排気装置の要件:

■7条の1  

  • 第一類物質又は第二類物質のガス、蒸気又は粉じんの発散源ごとに設ける。(第三類 物質は含まれず)かつ、外 付け式又はレシーバ式のフードにあっては、当該発散源にできるだけ近い位置に設ける。


■7条の2  

  • ダクトは、長さができるだけ短く、ベンドの数ができるだけ少なく、かつ、適当な箇所に掃除口を設ける。


■7条の3  

  • 除じん装置又は排ガス処理装置のフアンの位置は装置後流。(爆発、フアンの腐食の可能性がある場合)





■7条の4  

  • 排出口は、屋外に設ける。

■7条の5  

  • 労働大臣が定める性能を有するものであること。右表は局所排気装置の抑制濃度の抜粋

局所排気装置の稼働

■18条-1

  • 第1類又は第2類物質に係る作業を行われている間は、局所排気装置を稼動していなければならない


■18条-2

  • 局所排気装置を稼動させるときは、バッフルを設けて換気を行いやすくしなければならない。また、当該装置を有効に稼動させるために必要な措置を講じなければならない。

排ガス処理

■10条
表に記載されたガスまたは蒸気を含有する気体を排出する場合には、表に記載された処理方式。または、処理方式と同等以上の性能を有する排ガス処理装置を設けなくてはならない。