6-2.作業環境基準と作業環境測定(3)

H.大学における作業環境測定のありかた(REHSEからの提言)

●作業環境を考える視点

  • 作業環境測定と同様に 作業空間の平均的な濃度(A測定)と作業中に発生する最大濃度(B測定)の二つの視点で、環境を総合的な評価することが重要です。


●作業環境の把握

  • そこで、どういった場合に平均濃度と最大濃度が基準値に達するか?と考えます。

●作業空間の平均濃度 (A測定)

  • 例1) 実験室でアセトンをこぼし部屋中に臭いが充満したケースを想定します。


部屋の容積:6m × 8m × 3m = 146 m3
アセトン蒸発量: X g 換気:なし
アセトン管理濃度 :500 ppm
SATP 標準状態: 24.8 l/mol

(X / 58) × 24.8 /(146 × 1000 ) = 500 ppm

この場合、X は約170g となります。

●換気をすると
1時間あたり5回の換気を行えば 500ppm の濃度は30分で40ppm、1時間で4ppmになります。

  • 例2)実験台天板上に有機溶剤(例:メタノール)をこぼした時の濃度がどうなるか? メタノール管理濃度と比較。

●換気の重要性と有機溶剤の特性

換気は、部屋の有害物質の平均濃度を下げるのに大変効果があります。
また、有機溶剤は空気に比べ 比重が2倍以上あるため床面近くにたまるという特性を理解することが重要です。
床面のアセトン濃度が蒸発後しばらくの時間、高濃度になっていることがわかります。一方、呼吸域付近ではほとんど濃度が上昇しませんが、30分後には部屋中に拡散して、各点の濃度が約100ppmになっています。