「局所排気サブワーキンググループ」は、2007年に任意団体として発足した『研究実験施設・環境安全教育研究会』(REHSE)における様々な作業グループのうち、「実験室計画ワーキンググループ」のサブグループとして位置づけられました。
実験室設備を構成する機器を扱う主要メーカー・制御機器メーカー・コンサルタント会社など、REHSEの活動趣旨に賛同した民間企業のメンバーによって構成されています。
大学の事情を考慮しつつ広く一般の研究実験室も視野に入れながら、ヒュームフードを中心とする局所排気装置に関する共通指針確立のための資料を提供することを活動の目的とし、標準的な指針の確立とそれを共有するための新しいツールの開発を目指して、実現可能で最低限必要な知識を網羅すべく各種の資料作成に取り組んでいます。
「フード屋の魂 〜REHSE 局所排気設備基礎知識マテリアルズ」は、その活動成果として作成されたものであり、ヒュームフードとそれを取り巻く設備に関する基礎知識・実験室に関連する法規や各種規格基準の抜粋とREHSEとしての推奨指針・局所排気装置に関する問題事例と対処方法のケーススタディーなどのコンテンツが収められています。
今後はNPO法人化されたREHSEの研究活動を通じ、記載内容の更なる精査・コンテンツの充実化・REHSE独自の基準の作成などを実施していく予定です。
この資料が研究実験活動に携わる研究者・学生などの実験室利用者、監督職・教員などの管理者を中心に施設の計画者や設計者の方々までに幅広く有効に活用され、大学や民間企業を問わず適切な実験作業環境の実現と整備に貢献することを願っています。
実験用実験専用局所排気装置の呼称について
実験室を中心に使用される専用の局所排気装置は、日本では古くから「ドラフトチャンバー」(Draft Chamber:DC)と呼ばれており、現在でも広く使用されています。しかし、この呼称は日本独特のものであり海外では通用しないものです。
一方、海外においては、北米を中心とする値域では「ヒュームフード」(Fume Hood:FH)、欧州を中心とする値域では「ヒュームカップボード」(Fume Cupboard : FC)と呼ばれており、最近では「ラボラトリーケミカルフード」(Laboratory Chemical Hood)と呼ぶ団体も出てきています。
このうち世界的にも広く使用されているのは「ヒュームフード」であり、欧州を含めてほぼすべての地域で通用する呼称です。
研究実験施設・環境安全教育研究会(REHSE)では、世界を見据えた研究実験施設の環境安全教育の普及を目指していることから、局所排気サブワーキンググループにおいては「ヒュームフード」という呼称を推奨することとし、作成した資料においては表記を「ヒュームフード」に統一いたしました。日本国内では、現時点で「ドラフトチャンバー」と「ヒュームフード」は同意語として双方が使用されていますが、今後は世界で通用する「ヒュームフード」が広く使用されることを望みます。
「フード屋の魂」製作協力メンバー
代表:大島義人、リーダー:春原伸次、サブリーダー:堀江正巳
メンバー:岡勝紀、加持隆司、北村規明、久保信一、斎藤督、佐藤實、主原愛、正司有史、長谷川正浩、森脇健夫、結城英治