5-9.排ガス処理装置の選定、管理と維持

5-9-1.湿式排ガス処理装置の選定

対象となる除外対象ガスが有効に処理できるかどうかを事前に検討しておく必要がある。
一般的には酸性ガスにはアルカリ性水溶液を、アルカリ性ガスには酸性溶液を洗浄液として使用するため、どのようなガスをどのような系統で処理すべきか等も併せて検討しておかねばならない。
また、ガスの種類や性状、濃度によっては、特殊な排ガス処理装置が必要になるケースもあるため、事前の注意が必要がある。

湿式排ガス処理装置の洗浄の多くの場合、空気と薬液との気液接触を原理として行われる。これら湿式排ガス処理装置の性能は、気液接触時間(風速や距離)、薬液の循環流量やタンク容量、接触抵抗などに影響を受ける。選定時にはこれら基本要件の確認をしたほうが良い。

一方、処理されたガスは最終的には何らかの性状で洗浄液内に溶け込むことになる。このために廃液処理についても、排出基準に適合するかどうかなどを事前に検討しておく必要がある。

例えばフッ化水素酸(HF)を洗浄した場合は、液中にフッ素が残留するために排水基準の対象になる可能性が高い。また、アンモニアなどは液中濃度が高くなるとガスとして再発生することになる。
この様に、計画時には対象となるガスに対応して、廃液の適切な除外方法の選定、管理・運営方法、廃液の処理方法などを広範囲にわたって注意を払う必要がある。

5-9-2.乾式排ガス処理装置の選定

主に有機系ガスの除外を対象も最も一般的に使用される吸着剤は活性炭である。
活性炭に吸着できるガスの量は通常は重量で示され、同じガスであっても濃度により吸着性能は異なる。一般的には濃度が高いほど吸着率は高くなり、濃度が低くなると吸着率は低くなってそのまま通過してしまう。

活性炭式排ガス処理装置の性能は、接触時間(活性炭の充填高さや通過時間)による部分が大きい。ガスの種類によっては、除外が難しいものも多いため、事前に薬品の種類や発生量を把握して検討しておく必要がある。

5-9-3.管理と維持

排ガス処理装置には必ずメンテナンスが伴う。
湿式では薬液の調整、充填材の清掃など、排ガスの洗浄装置の性能に影響を与えるだけではなく、ヒュームフードの排気風量にも影響を及ぼす点検事項がある。

また、定期的な薬液交換なども必要になる。
特に乾式では、活性炭などの充填剤は消耗品である。従って排ガス洗浄装置の導入時には、その後のメンテナンス作業やそれに伴う予算の確保などの検討を行っておく必要がある。