1-4.ヒュームフードの構成部品と材質

ヒュームフードの主要構成部位の名称を理解しておくと、機種の選定時だけではなく取扱いやメンテナンスの際にも役に立ちます。
独特の呼び名が付いている部分もあります。

外装材

ヒュームフードの外装材として最も一般的なのは鋼板(スチール板)に焼付け塗装を施したものです。

内壁材・バッフル板

一般的なヒュームフードの内装材には、酸性、アルカリ性、有機溶剤など幅広い範囲の薬品に対して耐性を持つ材料が用いられています。
現在最も多く利用されているのは、特殊な加工を施した樹脂製合板です。不燃性または自己消火性の材料が主に使用されています。

前面サッシ

前面サッシの材質として最も一般的なものは透明ガラスです。破損時の安全性を考慮して強化ガラスや合わせガラスが使用されています。
更に飛散防止フィルムや耐薬性フィルムを貼ったものをオプションで指定することも可能です。
透明な樹脂(塩化ビニール、ポリカーボネイト、PET樹脂など)を用途に応じて使用することもあります。

作業面

作業面として一般的な材料としては、一体成型の陶磁器(セラミック)、エポキシ樹脂、特殊タイルなどがあります。
特定の用途向けとして、ステンレス鋼板製、塩化ビニール製、ポリプロピレン製や実験台天板と動材質のものなどもあります。

メーカーによって形状や仕様は異なりますが、多くの部分は共通しています。

(図1-4a.参照)

あらゆる薬品に対して完全な耐性を持ち、しかも耐熱性や耐衝撃性を兼ね備える材質はありません。特定の薬品には耐性がない、薬品には強いが熱には弱いなど、何らかの弱点があることを認識しておきましょう。

参照:主な構成材料の特長(表1-4a.)

ヒュームフードの作業面に求められる機能は以下です。
①広い範囲の薬品に対して耐性をもつこと
②一定の耐熱性を持つこと
③一定の衝撃や荷重に耐えられること
内壁材と同様に各素材には特性があり、これらの要求全てに完璧に適合する材料はないことを認識しておきましょう。

前面サッシの構成にも幾つかの種類があります。
最も一般的なのは垂直サッシですが、水平サッシや、垂直と水平を組合せた複合(コンビネーション)サッシなどもあります。

(図1-4b.参照)




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表1-4a:ヒュームフードの主な構成材料の特長