REHSEでは実験研究現場の環境安全に関連する実践的なテーマを取り上げ、ユーザーとサプライヤーがグループ演習形式で学ぶ勉強会を開催しています。
大学等研究機関や企業が抱える様々な課題に沿った頭出しとなる講演や、話題提供を行った後に皆でフリーディスカッションを行うスタイルのセミナーです。

これまでのテーマ紹介

※それぞれの年度のコンテンツはタブをクリックしてください。


2019年度


  • 「今後のラボデザインのあり方とは」

  • 【テーマ説明】
    研究環境の高度化に向けた取り組みとして、本年9月に文部科学省「今後のラボデザインの在り方に関する調査研究協力者会議」が立ち上がりました。
    ラボデザインはREHSEが扱う重要なテーマの一つであり、これまでに、REHSeminar等の機会を通じて、議論を行ってきました。
    今回のREHSeminarでは、「今後のラボデザインのあり方とは」というテーマについて、ラボユーザー、事務、安全管理部署、メーカーといった、実験研究現場に様々な形で直接関係する皆様と自由な意見交換を行い、これからの実験研究現場の姿や方向性について議論したいと考えています。

    【日時】令和2年2月17日(月) 13:30~16:30
    【会場】東京大学 本郷キャンパス 工学部5号館233A号室


    2018年度


  • 「ヒュームフードを考えよう」

  • 【テーマ説明】
    私たちが実験で多用するヒュームフードなどの「局所排気装置」。
    局所排気装置は私たちの命を守る箱ですが、その気流や排気などは相当にナーバスです。定期的な点検も義務付けられているなど、上手な運用には知っておかなければならないことがたくさんあります。
    「フード屋の業」はREHSEの中でもヒュームフードメーカーなどの実験・研究室に係わるプロの会員メンバーが中心となって、アカデミア会員メンバーの意見も参考にしながら制作され、この度公開されました。
    なぜ、こういったコンテンツが必要だったのか、メーカーの思いとユーザーの思いとのギャップ・・・今一度、ヒュームフードのことを考えてみます。
    また、第2部ではワークショップを行い、メーカーとユーザーが共同で、ヒュームフードの使い方、特注対策など、具体的な提案を考えます。

    【日時】平成31年2月4日(月) 13:30~16:30
    【会場】東京大学 本郷キャンパス 工学部5号館233A号室

    ※「フード屋の業」についてはこちらをご覧ください。
    また、フリーペーパー「研究生活」Vol.11号の「REHSE's Activity」(10ページ)でも紹介しています。

    2017年度


  • 第1回 「実験室デザインを検証してみよう」

  • 【テーマ説明】
    ある大学のペプチド合成を専門とする教授から、「大型予算が当たった!お金とまっさらなスペースが与えられることになる。総予算の中で、できるだけいい実験室を作りたいのだが、是非協力して欲しい」という依頼が来た。
    あなたならどういう実験室をデザインしてあげますか・・・。
    このワークショップでは、各グループから提案されるプランについて、有識者の意見を加味して、徹底検証する。

    【日時】平成31年2月4日(月) 13:30~16:30
    【会場】東京大学 本郷キャンパス 工学部5号館233A号室


  • 第2回 「リスク管理と危機管理」

  • 【テーマ説明】
    事故や災害等の不測の事態が発生した際には、迅速な情報収集、正確な状況把握と判断、現場の指揮など、事故の未然防止を目的とするリスクマネジメントとは異なる管理(コントロール)能力が要求されます。
    本セミナーでは、実験研究現場における実際の緊急時対応事例をもとに、危機管理のポイントについて、ケーススタディーを含む講義・実習形式で考えます。

    【日時】平成30年1月23日(火) 13:30~16:30
    【会場】東京大学 本郷キャンパス 工学部5号館233A号室


    2016年度


  • 第1回 「実験研究におけるリスクアセスメントとは」

  • 【テーマ説明】
    本年6月より、労働安全衛生の一環として、化学物質のリスクアセスメントが義務化される。
    現在、各大学では具体的な法対応のやり方についての検討が急務となっているところであるが、一方で、大学の実験に伴う危険を考える上で、本来の実験研究におけるリスクアセスメントは、作業環境に関わる化学物質の暴露のみを対象とするものではなく、むしろ爆発・火災危険性や腐食性などのリスクに対する評価と対応の方が本質的な問題であるという考え方がある。
    教育機関としての大学の役割に鑑み、法対応としてのリスクアセスメントという枠組みを超えて、実験作業における本質的なリスクアセスメントのあり方、安全教育の一環として実施するための具体的な方法についてレクチャーする。
    また、このような観点を取り込んで開発された、実験教育現場で簡便に合理的なリスクアセスメントができるREHSE発のツール「山本式リスクアセスメントシート」を使った実習形式のディスカッションも予定している。

    【日時】平成28年4月28日(木) 13:30~16:30
    【会場】東京大学 本郷キャンパス 工学部5号館233A号室

    ※フリーペーパー「研究生活」Vol.6号の「REHSeminar始めました」(6ページ)のコーナーで今回のセミナーの一部を紹介しています。


  • 第2回 「合理的な実験室計画の考え方」

  • 【テーマ説明】
    実験の安全において、実験が行われる場となる実験室のあり方が深く関わることは言うまでもありません。一方で、実験作業の目的や内容によらない万能な実験室を画一的に追求することも現実的ではありません。
    大学の実験研究では、頻繁な実験目的や実験内容の変更、人数の変動や人の入れ替わり、限られた予算など、さまざまな制約条件があります。また、安全確保のために道具や設備の扱いの中で「やってはいけないこと」や「やってほしくないこと」が多数ある中で、それらの要求が個別かつ独立であるために、結果として実験室ユーザーにとって非合理的な行動を求めている現状も多く見受けられます。
    この勉強会では、大学の実験研究ならではの様々な制約条件を前提としつつ、ユーザーの実験が安全かつ快適に行われるための合理的な場のあり方について議論します。

    【日時】平成28年7月28日(木) 13:30~16:30
    【会場】大阪大学 吹田キャンパス 産業科学研究所 管理棟1F講義室

    ※フリーペーパー「研究生活」Vol.7号の「REHSeminar始めました」(6ページ)のコーナーで今回のセミナーの一部を紹介しています。


  • 第3回 「情報・コンテンツの共有と活用」

  • 【テーマ説明】
    実験研究における安全を考える上で、「共有」は一つの重要なキーワードである。
    例えば、一つの実験室内で複数の実験シナリオが同時に存在する場合、その時間・空間共有による複合的な要因によって、個々のシナリオが発現しないような新たなリスクが生じる可能性がある。 また、器具や装置の共有、給排気環境の共有、化学物質や廃液容器の共有など全体の最適化を図る上で、個別の作業環境の最適化だけでは解決することのできない計画上の要因が多数あることも実験室の最大の特徴である。
    さらに、適切かつ合理的な安全管理体制を構築するためには、どのような情報をどのように共有し、どのように活用するのかといったソフト面での共有についても議論を深める必要がある。
    第三回の勉強会では、「共有のあり方」をテーマとして取り上げ、実験研究に行ける「共有」に関する現状と課題を整理するとともに、様々な研究が行われる実験室の合理的計画のために、ラボユーザー、事務、安全管理部署、メーカーといった立場が異なるステークホルダーがどのように情報共有し、活用すべきかといったケーススタディーを実習形式で行います。

    【日時】平成28年10月31日(月) 13:30~16:30
    【会場】東京大学 本郷キャンパス 工学部5号館233A号室


  • 第4回 「創造性と自主的リスク管理のバランス」

  • 【テーマ説明】
    研究の価値を評価する上で、新規性や独創性が重要な指標となることは言うまでもない。
    新理論の提唱、新手法の提案、新物質の発見といった、これまで誰も行っていないことを初めて見つけ、それを実証することにこそ、研究の価値や醍醐味がある。 そこには試行錯誤的な探索もあるだろうし、失敗もつきものである。 特に、過去に誰もやったことがない実験では、何が起こるか正確にはわからない以上、そこにリスクが伴うことは必然である。
    研究のアクティビティを損なうことなく、安全に研究を遂行するためには、創造性と自主的リスク管理とをうまくバランスさせることが重要である。
    そのためには、個々の研究者が自分の研究に伴うリスクを正確に理解し、そのリスクに対して適切に対応する能力を備えることが不可欠となる。
    世の中には様々な安全基準が存在しており、それら基準の遵守を安全のクライテリアと置き換えた議論がしばしば見受けられる。 しかしながら、研究の分野における合理的なリスク管理のためには、単なる基準の盲信ではなく、その基準自体の持つ意味や合理性についてもよく考えておく必要がある。
    例えば化学物質について「何がどういう状態にあるとどう危険なのか」を、その物質を扱う研究者自身の知識や経験、科学的根拠に基づいて正確に理解し、客観的に評価することができるならば、リスク管理としてはより本質的であると言えるだろう。

    第四回の勉強会では、創造性と自主的リスク管理のバランスを考える上で重要となる「許容されるリスク」をテーマとして取り上げ、 様々な安全基準が持つ意味や合理性に関する講義の後、実験研究における合理的な許容リスクについて全体討議を行う。

    ◎講演 「基準値という名の権威」 山本 仁 先生(大阪大学教授)
    ◎ディスカッション テーマ 「実験室における許容リスクとは」

    【日時】平成29年1月26日(木) 13:30~16:30
    【会場】名古屋大学 東山キャンパス 環境総合館1Fレクチャーホール

    ※フリーペーパー「研究生活」Vol.8号の「REHSeminar始めました」(7ページ)および vol.9号の「REHSeminar始めました」(5ページ)のコーナーで今回のセミナーの一部を紹介しています。