物質名 (Substance) |
塩酸(35%液) (Hydrochloric acid) |
別名 | 塩化水素 (Hydrogen chloride) |
分子式 | HCl |
CAS No. | 7647-01-0 |
使用用途 | 洗浄(希塩酸)、洗剤他 |
危険有害性 | 皮膚・眼の重篤な損傷、飲み込むと有害、呼吸器系障害、水生生物に非常に強い毒性 |
リンク | MSDS(和光純薬) GHS(NITE) |
場所 | 事故内容 | 原因 | 教訓 |
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大学 | 水と塩酸をまぜ、加熱脱水している際に、一部溶液が目に入った。早急に流水で洗い流したが異物感があったため診察を受けた。目に軽傷。 | 保護めがねの着用をせずに操作を行ったため。 | 塩酸は強い眼刺激を持つ。皮膚には問題のない希塩酸であっても眼には重篤な損傷を引き起こす場合があるので注意。保護めがね必須。 |
工場 | 半導体のエッチング作業場において、過酸化水素水、硫酸の入った 廃液回収用ポリタンクに誤って塩酸、リン酸の入った混合液を混入したため、塩酸ガスが発生し、両目結膜角膜障害を追った。 | 酸化性の強い過酸化水素中に酸を混合したための異常反応によるもの。 | 塩酸は酸化剤との混在で塩素ガスを発生するため混在を防ぐこと。 |
急性毒性 | 飲み込むと有害。呼吸器系に障害。 |
慢性毒性 | 歯・呼吸器に障害を引き起こす。 |
刺激性 | 注! 皮膚・眼に重篤な障害を引き起こす。接触は避ける。 |
環境毒 | 水生生物に非常に高い毒性がある。流出は控える。 |
反応性 | 不燃性だが、高温・加熱は有毒な塩化水素ガスを発生させるため避ける。金属との接触で水素ガスを発生するため引火爆発の危険有。酸化剤との接触で塩素ガスを発生する。アルカリと激しく反応するため混在を避ける。 |
揮発性 | 30%程度の液では揮発はしにくいが(沸点108℃)、高濃度になると揮発性が高くなるので注意。 |
予防 | 人体とはあらゆる接触を避ける。保護具を着用する。高温、加熱、金属接触、酸化剤接触は厳禁。日光・熱・アルカリとの接触を避ける。 |
貯蔵 | カギのかかる堅固な保管庫での保存が必要があり、盗難には気をつける(医薬用外劇物)。 |
使用 | 日々の使用記録を取る必要がある(医薬用外劇物)。使用している部屋では半年に一度の作業環境測定が義務付けられる(労働安全衛生法特化則)。 |
調査・報告 | 年間の使用量、購入量、廃棄量等を年度単位で集計し、報告する義務がある(東京都安全確保条例)。 |
関連法規 | 毒物及び劇物取締法(医薬用外劇物)、東京都安全確保条例、労働安全衛生法特化則第3類 |